現金を数えてみよう
会社の経営者は、
ある程度の規模になってくると、
会社の手元現金を自分で管理しなくなります。
正確に言うと、
管理していられなくなります。
ほかにやることが多すぎて、
事務作業は他人に任せることになるからです。
他人に現金の管理を任せるのは勇気がいることです。
でも、ほとんどの場合はそれでうまくいきます。
なぜでしょうか?
最初のうちは、きちんと現金出納帳と現金有高を合わせているからです。
ここでいう合わせているというのは、
経営者が帳簿と現金を確認しているという意味です。
しばらくして、担当者が慣れてくると、
経営者は安心します。
そうすると、どのようなことが起こるでしょうか?
まず起こることは、
担当者は安心すると、
帳簿と現金を合わせなくなります。
そこにスキができるわけです。
担当者も人間です。
魔がさすこともあります。
1000円抜いてしまうこともあるでしょう。
後日、そのことがバレたとしましょう。
経営者はどう思うでしょう?
たいていは、
「1000円間違えた」
で済ませます。
枚数が多くなる金種は、
どうしても間違う可能性が高いのです。
「たかが1000円を盗っていかない」
という思い込みもあるみたいです。
で、1000円を修正した後は、
また間違いは起こりません。
それが長くなると
経営者はチェックしなくなるのです。
実は、これが危ないんです。
チェックがないと思うと、
悪い心が出てきます。
1週間に1回チェックされていたものが、
1か月に1度になり、
そのうち半年に1度になり、
チェックされなくなるのです。
チェックされなくなると
「大丈夫」
と思う心が出てくるのです。
すると、持ち逃げする人が現れるのです。
慣れるのと、信用するのは別です。
信用しても、現金はマメにチェックしましょう。
チェックすることによって、
現金担当者が責任を果たしていることを
確認してあげてください。
現金と帳簿が合っていれば、
担当者は責任を果たしていることの
確認が取れましたよね。
そのときに
感謝の言葉をかけてください。
横領される危険性がぐんと減りますよ。