最近の銀行融資はAI利用によるスコアが流行ってきています。
融資決定にいたるまでの評価基準は、どのように変化してきているのでしょうか?
バブル期は、土地や株が上がったため、カネ余り現象と言われる状態になりました。
世の中にお金が余っている状態です。一般企業は、お金が回ってくるために、本業のために新たにお金を借りる必要性がありませんでした。
これに対して、銀行はお金を貸して、その利息を得ることが主要業務の一つです。
一般企業が本業のために借りてくれないとなると、新たな貸出先を探すことになります。
人の欲は深いので、儲かっている企業に対しても「土地を買いませんか?お金はこちらで用意しますから!」といって借りてもらうようにお願いしていきました。
2億円貸して、2億円の土地を買ってもらう。しばらくすると、その土地は2億5千万円になっているので、土地を売って融資を返済する。企業も銀行もハッピーです。
しかし、このスキームは長く続きませんでした。ご存知のように、土地も株価もバブル崩壊によって大きく値下がりしました。
回収不能な融資が大きくなった銀行は、担保重視にかじを切ります。
デフレ期においては、儲からない企業が続出したために担保がないと貸さないという状態が出現しました。
融資担当者の力量が上がらない原因です。企業を見て貸す担当者は少なくなり、担保の価値だけが重要になってきたのです。
最近になってからは銀行本来の企業を育てる融資を求める金融庁の姿勢が前面に出てきたので成長力や社会に対する意義というものが評価されるようになってきました。
ただ、AIは経験を積まないと人間に近い判断が出来ません。AI融資はザルだという話も聞こえてきています。
現在は過渡期と言えるのですが、必要なことは、収益力をいかに担当者に示せるか?だと思っています。
AIが導入されたとはいえ、その数値を入力するのは人間であります。
貸したら収益力が上がると分かれば、担当者としても優秀な顧客になり得る企業を見捨てることはないでしょう。
なぜなら、収益力が上がれば、規模拡大などの資金需要が発生する可能性が非常に高いからです。
銀行から借りたいと思ったら、嘘のない決算書とともに収益力が上がるような事業計画を立ててください。