財務レバレッジによってわかることとは?適正値も併せて解説

企業の健康状態を調べる手段として有用な財務分析ですが、目的に応じて「収益性分析」「安全性分析」「成長性分析」「生産性分析」の4つに分類できます。その中でも「安全性」を分析する際によく使用される財務レバレッジとは何かを知っておくことは、自社の資金調達について考える時や、他社に投資する時の判断に大きく役立ちます。

それでは一体財務レバレッジとはどのような指標なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

 

財務レバレッジとは、「事業を行う際に、どの程度他人資本を利用してレバレッジを利かせているのかを示す数値」です。

計算式は「総資本(自己資本+他人資本)÷自己資本」で計算できます。

しかしこれだけでは財務レバレッジとは何かが分かりづらいので、それぞれの言葉を定義していきます。

 

〇他人資本…銀行からの借入金や社債のこと。返済義務がある債務であり、貸借対照表の負債の項目に載る

〇自己資本…株主から調達した資金や、企業が自身で稼いだ利益の積立額のこと。返済義務がない。貸借対照表の純資産の項目に載る

 

例えば総資本が10,000円、自己資本が5,000円の場合、10.000円÷5,000円=2となります。財務レバレッジの単位は「倍」ですので、この場合の財務レバレッジは2倍です。
この例の場合、会社は事業に必要な資金のうち半分を借入金などの返済義務があるお金で賄っていることが分かります。

本来であれば自己資本5,000円しかないので行えない事業を、他人資本5,000円の力を借りて行う、つまりレバレッジ(梃子)を利かせているということができます。

 

一般的に返済の支払を行う必要がある他人資本を多用して事業を行うことは倒産リスクが高いといえますが、創業期や発展途上にある企業においては成長のための必要な投資ともいえます。一概に財務レバレッジの高低で企業の安全性を図るのではなく、企業がどのフェーズにいるのかと合わせて活用していくと良いでしょう。

 

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